新時代の組織経営と働き方: 第4回 認知と感情
1. 認知機能と感情機能の関係
過去の時代には、工業的アプローチによる目的合理性・認知機能が重視され、感情機能は邪魔なものとされていた。現在では、経済のサービス化による感情マネジメントの重要さ、発想の飛躍における感情が果たす役割が大きくなっている、とのこと。
ただ、標題にもなっている「認知機能」と「感情機能」について、用語が定義されていないのが残念。
面白かったのは、社会が高度に発展しているが、人間の肉体は石器時代に確立された機能のままという「私たちは、高度に発達した社会に生きる石器時代の人間である。」との表現。なるほどーと思った。(これが、この後の「バイアス」がなぜ生じるのか?につながっている。)
2. 組織での仕事場面における認知機能
1. 認知機能の仕組み
次の、バイアスの導入となる話なので、あまり正味はなし。
2. 知覚バイアス、ヒューリスティックス
標題と内容がミスマッチなセクション。
ヒューリスティックとは何かはちゃんと説明されなかった気がする。(テキストにも書かれていない)。
そして、「知覚バイアス」と共に「意思決定バイアス」についても説明されている。この両者の関係は並列じゃないのかな。標題からすると、意思決定バイアスは、知覚バイアスの一種だと言いたいのかな? (概念の位置関係はとても大事だと思う派)
意思決定バイアスの一つである「 自信過剰バイアス」はITエンジニアあるあるなんですよね。「どれくらいでできます?」って聞かれたら、思った納期の3〜4倍くらい言っておいてギリギリってのが、まさに「 自信過剰バイアス」だと思う。
この意思決定バイアスの主要な4つについては、常に意識しておいた方が良いと思いました。はい。
3. 組織での仕事場面における感情機能
1. 感情の分類
感情の種類には2種類あるという話。
「図4-1. 気分(ムード)の円環モデル (関口2009)」は、モデルとしてわかりやすく、美しい形をしている。ただ、納得いかないのは、「弱い肯定感情(退屈、疲れた、気だるい)」と、「弱い否定感情(くつろぎ、満足、穏やか)」は逆じゃないの? (テキスト、映像ともに、そう表記されている。)
2. アフェクティブ・イベント理論
言わんとするところはわかるけど、あまり理論というほどのものではないなぁ、という感触。
もうちょっと図が理論っぽく「形がきれい」なら納得するけれども... (モデルの形は大事)
気分(ムード)の円環モデルと同じ人がモデリングしたとは思えないほど、なんか普通... (少なくともこの講義では、そう感じる)
3. 感情の伝染
(映像ではたぶん省略された模様。)
4. 感情労働
(映像ではたぶん省略された模様。)
キーワードとして「感情労働」は気になっていたので、映像でも解説して欲しかった。。
4. 自己制御理論と感情知性
人は、なぜ自己制御が効かなくなることがあるのか、という話。
感情知性 (EI または EQ)は、感情を制御するための知性(能力)として、どのようなものが必要か、という話。わかる、けど、制御できないのが感情でもあるので、これを訓練せよ、ということなんだと思います。(若いうちにやってないと、老化によってますます怒りっぽくなるんじゃまいか説)
5. 創造性と認知機能、感情機能
図が無くて本文だけの説明の「創造性の3要素モデル」は、さらっと書いているけど、これ結構心当たりがあるので、ぐっと来た。
これは、自分の仕事にも関係ある内容なので、自分なりに深掘りをしていきたいな、と思いました。
所感
今回の講義は、テキストが全般的に説明がいまいち(わかりにくい&肝心なところが薄い)ですが、動画で聞く分には結構良い内容でした。
ただ、事例インタビューを最初のセクションに入れたのは唐突感があって「???」という感じでした。
最後に入れれば、「感情マネジメント」の事例としてしっくり来たんじゃないかなぁ。