50代から放送大学で学ぶ日記

50代のITエンジニアの学習日記

新時代の組織経営と働き方: 第4回 認知と感情

1. 認知機能と感情機能の関係

過去の時代には、工業的アプローチによる目的合理性・認知機能が重視され、感情機能は邪魔なものとされていた。現在では、経済のサービス化による感情マネジメントの重要さ、発想の飛躍における感情が果たす役割が大きくなっている、とのこと。

ただ、標題にもなっている「認知機能」と「感情機能」について、用語が定義されていないのが残念。

面白かったのは、社会が高度に発展しているが、人間の肉体は石器時代に確立された機能のままという「私たちは、高度に発達した社会に生きる石器時代の人間である。」との表現。なるほどーと思った。(これが、この後の「バイアス」がなぜ生じるのか?につながっている。)

2. 組織での仕事場面における認知機能

1. 認知機能の仕組み

次の、バイアスの導入となる話なので、あまり正味はなし。

2. 知覚バイアス、ヒューリスティック

標題と内容がミスマッチなセクション。

ヒューリスティックとは何かはちゃんと説明されなかった気がする。(テキストにも書かれていない)。

そして、「知覚バイアス」と共に「意思決定バイアス」についても説明されている。この両者の関係は並列じゃないのかな。標題からすると、意思決定バイアスは、知覚バイアスの一種だと言いたいのかな? (概念の位置関係はとても大事だと思う派)

意思決定バイアスの一つである「 自信過剰バイアス」はITエンジニアあるあるなんですよね。「どれくらいでできます?」って聞かれたら、思った納期の3〜4倍くらい言っておいてギリギリってのが、まさに「 自信過剰バイアス」だと思う。

この意思決定バイアスの主要な4つについては、常に意識しておいた方が良いと思いました。はい。

3. 組織での仕事場面における感情機能

1. 感情の分類

感情の種類には2種類あるという話。

「図4-1. 気分(ムード)の円環モデル (関口2009)」は、モデルとしてわかりやすく、美しい形をしている。ただ、納得いかないのは、「弱い肯定感情(退屈、疲れた、気だるい)」と、「弱い否定感情(くつろぎ、満足、穏やか)」は逆じゃないの? (テキスト、映像ともに、そう表記されている。)

2. アフェクティブ・イベント理論

言わんとするところはわかるけど、あまり理論というほどのものではないなぁ、という感触。

もうちょっと図が理論っぽく「形がきれい」なら納得するけれども... (モデルの形は大事)

気分(ムード)の円環モデルと同じ人がモデリングしたとは思えないほど、なんか普通... (少なくともこの講義では、そう感じる)

3. 感情の伝染

(映像ではたぶん省略された模様。)

4. 感情労働

(映像ではたぶん省略された模様。)

キーワードとして「感情労働」は気になっていたので、映像でも解説して欲しかった。。

4. 自己制御理論と感情知性

人は、なぜ自己制御が効かなくなることがあるのか、という話。

感情知性 (EI または EQ)は、感情を制御するための知性(能力)として、どのようなものが必要か、という話。わかる、けど、制御できないのが感情でもあるので、これを訓練せよ、ということなんだと思います。(若いうちにやってないと、老化によってますます怒りっぽくなるんじゃまいか説)

5. 創造性と認知機能、感情機能

図が無くて本文だけの説明の「創造性の3要素モデル」は、さらっと書いているけど、これ結構心当たりがあるので、ぐっと来た。

これは、自分の仕事にも関係ある内容なので、自分なりに深掘りをしていきたいな、と思いました。

 

所感

今回の講義は、テキストが全般的に説明がいまいち(わかりにくい&肝心なところが薄い)ですが、動画で聞く分には結構良い内容でした。

ただ、事例インタビューを最初のセクションに入れたのは唐突感があって「???」という感じでした。
最後に入れれば、「感情マネジメント」の事例としてしっくり来たんじゃないかなぁ。

新時代の組織経営と働き方: 第3回 組織間ネットワークと事業生態系~新たなネットワーク組織の成長~

1. 企業間ネットワークの成長

「6つの経営環境の変化」「図3-1. バリューチェーンにある企業を連結する企業間ネットワーク」「図3-2. 顧客志向型組織と製品志向型組織の違い」は、今までの経験を自分なりにまとめてきた内容とほぼ一緒で、再確認することができました。

「ネットワーク組織」の概念としては既知でしたが、「ネットワーク組織」という言葉はあまり馴染みがなかったので、ネットワーク組織の「5つのメリット」「4つのデメリット」と合わせて概念を整理できたことは良かったかな。

2. その諸形態と経営効果

「企業間での協力形態の例」は、例というより整理図のような気がするけど、わかりやすくて良い図だと思いました。企業連携における選択肢を示しているんですよね、これ。

簡単に、ロイヤルホールディングス株式会社の企業グループの概要に触れていますが、「ロイヤルホスト」や「てんや」には長年お世話になっていますね。(たまにしか行く機会無いですが、当たりのときは美味かったなぁ)

企業グループは実務で縁が無さそうですが、3つのメリットと3つのデメリットが提示されています。(やや歯切れ悪い説明なので、さらっと見ておけば良いかな。)

戦略的提携については、零細にも関係ある話なので、その6つの特徴、戦略的提携の6つの事業目的については、少し深掘りしたいかも。

自分はヌルい青組なので、スターアライアンスによる戦略的提携の例は、少し親しみがある話題でした。

このセクションでの目玉は、組織間ネットワークのマネジメントの3つの要素の説明の後の、「アビームコンサルティングとJ2チーム、モンテディオ山形の戦略的提携の事例」ですね。

これは、部外者から見てもわくわくするような内容でした。2019年の収録ですが、今年はJ2なんですね。がんばれ。

3. 事業生態系において活動するネットワーク組織

組織間ネットワークを取り巻くマクロ環境については、結局地理的な近接が組織ネットワークに重要ということを言いたいのかな? IT企業であってもやはりシリコンバレーに集積されている点など、やはりF2Fのコミュニケーションは大事なのかもしれない。

事業生態系を転換するネットワーク組織の話題は、まさにGAFAに席巻される世界の話ではありますね。

 

今回の講師の先生も、原稿読み上げ感が強いので、動画で予習して、あとで興味があるところをテキストで整理する形でいい気がします。(楽だけど、面白みには欠けるかな。)
一番、ワクワクしたのは、アビーム&モンテディオ山形のインタビューでした。ここは再度しっかりと見直したい。

 

新時代の組織経営と働き方: 第2回 経営組織の理解

本日、テキストを入手。映像先行で学習してみます。

1. 経営と組織

これまでの知識の整理となる内容でした。

2. 職能別組織

最初に正社員とした働いた通信会社は、小規模だったので、この職能別組織でした。

こじんまりしていて、社長にリーダシップがあれば有効。

逆に、小規模の企業はこの選択肢しかない、ということでもありますね。

3. 事業部制組織

ある程度、規模が大きくなると、事業部制組織を採用するようになります。

事業部制組織には、協調型、戦略事業単位型、競争型の3種類がある、というのは初めて知りました。

旧来型の日本企業だと、協調型事業部制(中央研究所などの全社レベルのスタッフ組織がある)が多いのでしょうが、そういう企業では働いたことが無いです。

一番、職歴が長い会社(いわゆる巨大ベンチャー)は、全社的には戦略事業単位型事業部制を敷いていて、基盤系組織は不定期に職能制組織と事業部制組織を交互に切り替えていました。(某通信系巨大会社も同様のことをしていたと聞いたことがあります。)

AWSは、最後の競争型事業部制を採用していますね。自社のサービス同士が喰い合うことも辞さない、そんなスタンスです。

4. マトリックス組織

マトリックス組織は、経験もあるし、国内で採用している企業を見かけますが、「本当に成功している」という現場からの話は聞いたことがないです。
指揮系統が2つになるため、特に副軸の指揮側からの不満が出やすいのが現実でしょう。国内で人気が無い、というよりも、国内で上手くいっているケースが少ない、が現実なんじゃないかなぁ。

まとめ

今回は、内容的に目を見張るようなものはなく、先生がテキストそのまま読むというところが多かったので、さらっと流す程度で良いかな、という印象でした。

新時代の組織経営と働き方: 第1回 組織マネジメントと働き方 ~柔軟性と多様性を求めて~

テキストが未入手なので、まずは動画で聴講。

思った以上に得るところが多かった。

 

社会と企業

資料: 知識時代への変化 (宮下 清 2013) テキスト経営・人事入門

資料: 国際標準 オスロ マニュアル

 

技術革新(誤訳) -> 社会に対する新しい価値創造(あるべき訳)

 

組織を導く

資料: 経営管理の共通役割とウエイト (森本三男 1989) 経営管理

資料: 経営資源の分類 (伊丹敬之 加護野忠男 2003) ゼミナール経営学入門

 

イノベーションに関して、ずーとあったもやもやが、オスロマニュアルによって解消したことが大きかった。

みんなイノベーションを大事に考えすぎなんだよなぁ。

 

他の引用資料も、今までの思考の整理に活かせそうなので、テキストが届いたら、まとめなおしたい。

 

入学前にやっておきたいこと

放送大学のサイトによると、2024年度春季の入学出願は、以下の通りだそうです。

  • 1回:20231126()2024229()
  • 2回:202431()312()

 

出願後は、概ね、以下の流れで開講を待ちます。

- 出願から 2 週間から約 1 カ月程度: 合格 通知・科目登録決定通知・払込取扱票が郵送で届きます。

- 払込取扱票で振込をします。放送大学での入金確認には7日程度かかるとのことです。


- 入金確認後20日程度: 入学許可証が届きます。(学習システムの利用が可能になります。)
- 入金確認後2週間〜20日程度: 教材などの印刷物が届きます。

 

入学許可証が到着するまでは、放送大学の学習システムにアクセスできないので、オープンコースウェアから、お好みの講座を先乗り学習すると良いでしょう。

https://www.ouj.ac.jp/reasons-to-choose-us/ocw/

 

個人的には、入学前に以下の講座をやれるところまでやってみようと考えています。(出願は第二回期間に提出予定です。)

- 日本語リテラシー

- 新時代の組織経営と働き方

- 情報学へのとびら

- コンピュータの動作と管理

- コンピュータとソフトウェア

- Webの仕組みと応用

- 身近なネットワークサービス

- 現代の内部監査

- 遠隔学習のためのパソコン活用

 

オープンコースウェアは、年度毎に講座の入れ替えがあった気がします。

興味が有る講座は年度内に聴講しておくことをおすすめします。

 

なぜ放送大学で学ぶか

放送大学大学院や、国立大学大学院で学んだ経験から、放送大学(学部)には、以下のような特徴があると考えています。

 

1. 入学試験が無い。これは学習開始の敷居を大きく下げていると思います。

2. 好きな講義を受講できる。(放送授業に限りますが)履修していない科目についても、自由に聴講できるので、極端な話、1単位だけ履修する、もしくは学籍が有りさえすれば、好きなだけ学ぶことができます。

3. 学位を取得できる。単位が溜まったら、学位を目指すことができます。

4. 再入学が容易。本科生には年限がありますが、年限により中退しても、翌期に再入学すれば、単位が有効なまま、学習を続けることができます。

5. 学費が比較的廉価。2024年度から単位の履修費用が値上げしますが、それでも比較的廉価だと思います。

6. 生涯学習に向いている。全コースを卒業すると「名誉学生」の称号が得られるそうです。老後の頭の体操に良さそうです、

 

こんなところでしょうか。